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HISTORY

あゆみ

2018.03.01

5回目の演劇祭。さらに一歩近くへ

回を重ねるごとに地域との連携は強まる鳥の演劇祭。主会場となる鳥の劇場だけでなく、鹿野町全体が演劇祭の会場となって毎年秋に開催されています。2012年に5回目を迎え、鳥取県内の学校など、一般の方々との作品づくりにも力が入ります。

初開催で得た確かな手応えと経験をもとに、演劇好きの人も、そうでない人も楽しめる演劇祭へ。2009年の「鳥の演劇祭2」では、ルーマニアや韓国からも劇団を招聘し、優れた舞台作品を集めた上演プログラムが用意されました。

演劇祭の会場は、鳥の劇場の“そと”にも広がります。鹿野のコミュニティスペース「しかの心」を改装した特設舞台では、地方を拠点に活動する3劇団が入れ替わりで1時間前後の公演を行う「鳥の演劇祭ショーケース」を開催。さらに、鳥取県内で語りや読み聞かせ、紙芝居などを行うグループが集まり、鹿野町内の各所で発表する「鹿野町中おはなしラリー」では、来場者が町歩きを楽しみながら、鹿野の魅力に触れることができました。

2010年の「鳥の演劇祭3」では、4週末に19本の舞台作品を上演。前年から続くショーケースには日本各地から11劇団が参加し、「しかの心」、「鹿野往来交流館」、鹿野町の元議場を改装した「議場劇場」の3つの特設劇場で個性あふれる演目を上演しました。

公募で集まった大人と子どもたちが第一人者から指導を受け、インドネシア・バリ島の伝統的なダンス「ケチャッ」を踊る作品や、鳥取県内全域から“いいもの”を集めて紹介した初挑戦の「セレクトショップ」など、演劇祭は舞台の魅力とともに、鳥取の魅力も伝えています。

野外特設会場を含む5カ所の劇場で15作品を上演した2011年の「鳥の演劇祭4」には、国内のほか、フランス、イギリス、フィンランド、韓国の4カ国からも劇団が招かれました。子どものためのプログラムや、シンポジウム、レクチャーなどが企画され、演劇作品や演劇祭を楽しみながら、来場者と一緒に地域の未来について考える場となりました。

また、鳥の劇場が鳥取県内の学校へ出向いて続けてきたワークショップの成果として、高校生による自分たちの日常をベースにした創作台本のリーディング上演や吹奏楽部によるジャズ演奏の発表が行われました。

鹿野町の地域住民と鳥の演劇祭の距離をさらに近づけたのが、2012年の「鳥の演劇祭5」から始まった「週末だけのまちのみせ」です。演劇祭の期間中、鹿野町内の空き家や空き店舗を使い、公募で集まった個性的な店主たちが週末だけ小さな店をオープンします。NPO法人いんしゅう鹿野まちづくり協議会が運営を担当し、上演の合間の“まちみせ”散策が来場者の人気を得ています。

コミュニティで作られた作品として、鹿野のおばあちゃま、おじさま、市内の高校生が参加して作り上げた喜劇、外部から招聘した演出家と高校生の共同作業によるドキュメンタリー詩劇が上演されました。その後の演劇祭で定番となっていく「鹿野タイムスリップツアー」と題した新しい演目が上演されたのもこの年です。にぎわっていた城下町鹿野の話を住民から聞き、それをもとに、鳥の劇場の俳優が町内各所を移動しながら、民家などを舞台に昔の人を演じます。観客は町歩きをしながら、ひとときのタイムスリップを楽しみます。

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