剣を鍛える話 公演目前!稽古場レポート【山本芳郎編】
“剣”公演に向けての稽古場レポート!第2弾(全3回予定)は客演で来ていただいている山本芳郎さんからいただきました!
山本芳郎です。
今回鳥の劇場の代表作「剣を鍛える話」に客演させていただきます。
普段は山の手事情社という東京の劇団で活動しています。
鹿野町の魅力や鳥の劇場の素晴らしさについてはいろいろなところで発信していますが、もうホントに素敵な場所ですね。
東京の演劇状況から比べると涎が出そうなほど恵まれた環境で毎日稽古しています。
しかしこの暑さだけはどういうわけか東京と全く変わりませんね。
夜はグッと涼しくなるけれど、日中は東京と同じかそれ以上。
冷房の効いた劇場でも、衣装の下のシャツは片手で搾れるほどの大量の汗です。
ところで魯迅という作家、国語の教科書なんかで名前は知っていましたが、芝居の作品として考えたことはなかったですね。
岩波文庫は絶版だというし、図書館に通って魯迅全集とかを読まないと出会えないような作品。
よく引っ張ってきたなあと思います。
鳥の劇場って、ブレヒトやトルストイをやったかと思うと、如月小春やつかこうへいといった日本の小劇場演劇や古事記といった意表をつくものをやったり、なかなか油断がならないんです。
それはそうと、今回僕は主人公の敵役の大王を演じます。
首を切られたあとも生首になって戦います。
首から下、つまり身分や社会性といった虚飾を取り払い精神だけになって向き合った人間同士の闘い。
こんな話が何千年も前に作られていたなんて、その想像力に驚きます。
それにしても生首なんてどうやって表現すればいいんでしょうか。
自分の劇団は古典を上演しているので、これまでもスケールの大きい人物をいろいろ演じてきました。
神話の英雄や神様といったものから戦国武将、道化、妖精、殺人鬼まで、いずれも日常では出会わない規格外の人物ばかりです。
ときには犬とか運命といったありえないものまで。
けれども生首というものは僕も初めてです。
もちろん演劇はマジックショーではないので、当然首はひっついたまま全身で演じます。
といっても生首の形態模写なんか出来るわけないので、あとは本人の思い込みの強さで押し切ります。
生首をやってるつもり!
このふてぶてしさは大事だと思っています。
まずは自分が信じる!
あともうひとつは、これが一番大事なんですが、結局は観客の想像力に頼るほかありません。
俳優が無力ということではなく、演劇は観客といっしょになって幻想を立ち上げるものですので、どうしても観客のみなさんのお力をお借りしたいんです。
実は鳥の劇場の「剣を鍛える話」は、物語る妄想力や聞き入る想像力、これらも大きなテーマになっています。
そして物語というものは同じ話を何度聞いても毎回違った感慨があるものです。
ですから初めての方はもちろん、前回ご覧頂いた方にもぜひ観ていただきたいと思っています。
演劇の魅力と可能性に満ちた作品です。
猛烈な暑さですが、命がけでやります。
お待ちしております。
剣を鍛える話(つるぎをきたえるはなし)の公演詳細(ご予約絶賛受付中です!)
ご予約ページはこちら
もしくは
TEL・FAX/0857-84-3268
電子メール/ticket@birdtheatre.org
からもご予約いただけます。
日時
8月23日(金)19:00開演
24日(土)〜27日(火)14:00開演
アフタートークあり
会場
鳥の劇場(鳥取県鳥取市鹿野1812-1)
料金
大人:2,000円 18歳以下:500円 中学生以下:無料
さらなる詳細はこちらのページへ
https://www.birdtheatre.org/birdtheatre/1665