鳥の演劇祭 芸術監督より
今年の演劇祭もいろいろな作品をそろえました。いろいろな人が、そのいろいろのままに、いろいろな幸福を築いていけるような社会になることが、今とても大切になっていると思います。それを象徴的に示せるよう、いろいろな国のいろいろな作品に来てもらいます。「こうでなきゃダメ、あれはダメ、そういうのはおかしい」いろんなしばりが、私たちを不自由にしています。ネットは私たちの社会を自由にしてくれるはずでしたが、どうも逆の状況を作っています。
外国の作品は、いろいろなことを教えてくれます。社会ごとの常識が違うので、私たちに「え!そういうのあり?」という新鮮な驚きをくれます。それから、生きてきた環境が全然違うのに、それでもやっぱり心が通じ合うこともわかって、なんだかうれしくなる。「人間はいいな」と思えます。この場所への誇りも生まれます。隣の芝生は青く見えるものですが、ここで外国の人に出会って、作品を見たり話を聞いたりしていると、「あっちも良さそうだけど、こっちにもたくさんいいところがあるな」なんて思えてきます。
日本の作品も、もちろんいろいろなものをそろえています。鳥の劇場の新作もあります。舞台だけでなく、音楽や美術もあります。コロナで中断していた恒例のパーティーも、今年から復活です。「いろいろである いろいろであれ」の鳥の演劇祭17へぜひ!
鳥の演劇祭芸術監督 中島諒人