昔あるところに、老夫婦が二人きりで住んでいた。さびしかった二人は、子どもを願った。ある日、木の精が「ハルッ」という名の子を二人に授けた。彼らはとても喜び、ハルッのためにできることは何でもした。けれども、木の精が禁じたので、炊いた米だけは決して与えなかった。ハルッはどんどん大きくなり、ある日、炊いた米をほしがった。老夫婦がしかたなく食べさせると、ハルッは空腹を感じるようになった。彼は家中のものを食べ始めたが、食べるほどに空腹を感じた。彼は家を出て、世界中のあらゆるものを食べ始めた。が、何も彼の空腹を止められなかった。
プログラムディレクターより
紙でつくった伝統劇の人形や仮面などを使った楽しくて魅力的な作品です。伝統楽器とともにペットボトルやびんなども使う生演奏、びっくりするような視覚効果などが組み合わさって、想像力がふくらませられます。子ども向けとあなどってはいけません。深い意味もちゃんとあって、大人も十分に楽しめます。
劇団ティダ
劇団ティダは、韓国国立芸術大学の卒業生8名によって2001年に設立された。演劇の可能性に対して開かれていること、自然にやさしいこと、そして進化し続けることを目指し、毎年新作を発表している。東洋と西洋の道化劇を取り入れた独自の演技メソッドにより、人形劇、仮面劇、音楽との融合を図っている。ティダの独自性は、常に実験を行い、試行錯誤を重ねることから生れている。「韓国的かつコスモポリタンである」というスタイルは、数多くの児童演劇祭への参加を通して、日本、中国、香港、台湾、米国、アイルランドで高い評価を得ている。
●25日(土)の上演後にアフタートークがあります
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