『蟹工船』
The Crab Cannery Ship
劇団ドン[韓国・ソウル]
DONG Theatre Company
1926年に実際にあった事件をモデルとした、小林多喜二の同名小説をもとにした作品。「蟹工船」の背後には元祖ブラック企業といえる利益のみを追求する会社があり、ノルマ達成を目指す地獄のような労働が、時が経つにつれ更に過酷になっていきます。繰り返される苦役によって身体と思考がどのように変化して反抗が生れ出るのか、劇団独自の表現手法によって描きます。
原作:小林多喜二
演出:カン・ヤンウォン
上演スケジュール
9月16日(金)19:00・17日(土)14:00
※9月16日(金)終演後に、アフタートークを行います
会場
倉吉未来中心 小ホール
〒682-0816
鳥取県倉吉市駄経寺町212-5
(倉吉パークスクエア内)
電話:0858-23-5390
劇団ドン
1995年、スタニスラフスキー・システムを学ぶ学生たちによって設立。スタニスラフスキー・システムを基に、リアリズムの枠を超えた独自のスタイルを創り出している。登場人物たちの感情を、洋の東西を問わない普遍的なものへと昇華させていくその表現手法は国内外で高く評価されている。
韓国語上演(日本語字幕あり)
☆よりお芝居を楽しんでいただくために
《蟹工船》
小林多喜二によるプロレタリア文学の代表作。彼は1929年に発表したこの作品で一躍注目されるようになる。1926年、蟹工船漁業の中で実際に起きた事件が題材となっている。蟹工船は、底刺し網でとったカニを加工し缶詰にする、移動缶詰工場のような船。その労働条件はひどく、監獄部屋制度の奴隷労働が強制されたと言われている。蟹工船「博光丸」にのせられた労働者たちが、国家産業という名の下で奴隷のような労働を強いられ、暴力・虐待・過労や病気で次々と倒れてゆく。その中で、彼ら労働者が権利意識に覚醒し指導者のもとストライキ闘争に踏み切っていく様子が描かれている。
《小林多喜二》
1903年、東北の貧農の家に生まれる。苦学して小樽高等商業学校(現・小樽商科大学)へ進学、在学中から創作活動にいそしんだ。この前後から労働運動への参加を始める。卒業後は銀行員となり安定した生活を営んでいたが、軍国化を進める政府によって、1928年3月15日、全国で数千人の反戦主義者を逮捕する大弾圧事件が起き、連行された友人たちから過酷な拷問の話を聞くに及んで、事件を小説にし世間に国家の横暴を訴える決心する。そして完成した作品『1928年3月15日』は、特高警察の残虐性を初めて徹底的に暴露した小説として注目されるが、特高警察からマークされることになる。翌年『蟹工船』を発表。1933年、スパイ容疑で特高警察に逮捕され、拷問によって29才の若さでこの世を去った。
- 【主催】
- 鳥の劇場運営委員会 鳥取県
- 【共催】
- 公益財団法人舞台芸術財団演劇人会議 特定非営利活動法人鳥の劇場
- 【助成】
- 平成28年度 文化庁 文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業 一般社団法人東京倶楽部