鳥取県境港市は、水木しげるの生地として妖怪で有名。妖怪は現在、ポップなキャラクターとして語られ、町おこしのツールともなっている。しかし、それはもともと、自然や暗闇、死への畏れを背景に、見えている日常の向こうに見え隠れする影のようなものとして想像されたものではなかったか。とりわけ境港は、港町として多くの人々や情報の交流の中、たくさんの物語が流れ込み、それが地域に多様な「妖怪=異なるもの」のイメージを堆積させた。
現在、文化とか芸術の意義が語られる時、その「暗さ」の意味が語られることが少ない。しかし、文化や芸術は、生の明るく健康的な部分の裏側、深く暗い精神的なものとして培われた部分も大きい。演劇ももちろん、そういう精神的な営みとしての根幹を忘れてはならない。本シンポジウムでは、まず、小泉凡さんに基調講演として、妖怪と人々の生活や精神のつながりを語っていただき、そのあとのディスカッションで、中国「西遊記」、韓国の詩人・尹東柱などにも、視点を拡大します。
基調講演
「異界と人間を考える − 水木しげると小泉八雲の世界から −」
講師:小泉凡(島根県立大学短期大学部教授/小泉八雲記念館館長)
シンポジウム
- コーディネーター
- 五島朋子(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター教授)
- パネリスト
- 小泉凡(島根県立大学短期大学部教授/小泉八雲記念館館長)
堀 誠(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
馬男木美喜子(福岡・尹東柱の詩を読む会代表)
渡部万里子(NPO法人こども未来ネットワーク理事長)
中島諒人(演出家/鳥の劇場芸術監督)
スケジュール
8月27日(土)14:00〜16:00
料金
無料(要予約)
会場
夢みなとタワー
〒684-0046
鳥取県境港市竹内団地255-3
電話:0859-47-3800