© Lou-Tokino Cardonnel
© Lou-Tokino Cardonnel
『戦争 SENSŌ』は、ほとんど言葉を用いない舞台作品で、ラブレーの『ガルガンチュワ物語』に着想を得ています。
この作品では、戦争の悲惨さを直接描くのではなく、遊びや道化的表現、音楽などを通じて戦争の仕組みを解体し、その不条理さを浮かび上がらせます。そして、ユーモアと想像力もまた抵抗の一つの形であることを私たちに思い起こさせます。
舞台には一人の俳優だけが登場し、侵略者、被害者、王、その将軍たち、兵士たち、さらには彼らが侵略する土地までもを、次々と演じ分けます。身振り、リズム、音が積み重なり、やがて振付、音楽、そして歌へと展開していきます。戦闘は一つの楽譜となり、戦いは遊びへと変わり、パントマイムはアート・ポップ・コンサートへと姿を変えます。
あらゆる観客に開かれたこの作品は、笑いと身体表現によって子どもたちに直感的に語りかける一方で、大人たちには人間社会と政治に対する鋭い風刺を提供します。
原作:フランソワ・ラブレー
演出:ディディエ・ガラス
出演:ディディエ・ガラス
音楽:ニコ・サラン
演出助手:ルー=トキノ・カルドネル
仮面:エルハルト・シュテフェル
衣装・美術::ヴァンサン・ボーラン シルヴィー・オーヴレイ=ヴィルジニー ジャン=ジャック・ヴェイユ
鳥の演劇祭の観客のみなさまへ
この作品『戦争 SENSŌ』が笑いを分かち合えるものになることを願っています。この世界で起きている暴力を否定するものではなく、それをやさしくほどいてくれるような笑いです。
500年前、作家ラブレーは、笑いの力は私たちの人間らしさを映し出してくれるものと信じていました。私はこの作品が同じような力を持っていることを願っています。感謝をこめて。
ディディエ・ガラス
ディディエ・ガラス
パリの国立高等演劇学校(CNSAD)出身。特にクロード・レジに師事する。哲学者アラン・バディウが創作した人物アフメドを演じたことで広く知られるようになり、この役でモリエール賞最優秀男優賞にノミネートされた。アジア、アフリカ、ラテンアメリカでも活躍。演劇における喜劇的表現やアルルカンという人物像を探究し、フランス語、中国語、日本語、イタリア語による数々の一人芝居を創作。主な作品に、『Monnaie de Singes』(2000年、アヴィニョン演劇祭)、『アルルカンお天狗である』(2010年、SPAC静岡)、『Trickster』(2011年、パリ)、『aïloviou… comme je le prononce』(2013年、レンヌ)がある。2014年には、京都で7人の出演者とともに『ことばのはじまり』を創作。近年では、2020年にインドで初演した作品をもとに、野村誠との言葉と音楽によるデュオ作品『アフメドは語る 音にのせて』(2024年)を発表している。
2025年より、フランソワ・ラブレーに着想を得た創作や、亡命者や社会的に困難な状況にある人々とともに行う参加型演劇プロジェクトに取り組む。
1998年のヴィラ九条山のレジデント・アーティスト。
現在はモンペリエ国立高等演劇学校(ENSAD)で教鞭を執るほか、世界各地でワークショップを行う。2016年よりアイアンガー・ヨガの認定指導者。
制作:LHP
助成:笹川日仏財団