ローラースケートで書道?フランスのビジュアルアーティストによる滞在制作の作品展。

期間
9月13日(金)〜29日(日)
開廊時間
平日/11:00〜17:00 土日祝日/11:00〜18:00
※火・水 休廊
会場
ART CUBE クチュールシカノ
料金
無料
プログラムについて開く

日本文化に愛着と敬意をもつ作家が、日本・鳥取で想を得ながら、意味をもたない文字を描くアセミック・ライティングによるカリグラフィーなど、領域横断的な作品を創作します。

アーティストプロフィール開く
©Alexis Bernadet

フローラ・バスティエ

フランス・リモージュを拠点とする領域横断的なアーティスト。彼女の造形作品は動きの概念を中心に展開し、ある種の一過的な美学において、動きの中にある物質の転写を試みるものである。主にドローイングによって痕跡のプロセスを問うが、彼女の作品の多くは、オーディオビジュアル、パフォーマンス、陶芸、インスタレーション、都市介入、ランドアートなどさまざまな媒体を用いて、時に融合させている。作品の根底にあるのは自身の体験であり、そこでは社会的でインタラクティブな次元が循環している。彼女は、環境に刻まれた人間の痕跡と、それがどう言語化されるかを問う。領域だけでなく、物質を通過する際の身体との関係性があり、異文化との交流が彼女に創作の素材を与えている。旅への欲求に突き動かされ、さまざまな場所を訪れることが、彼女の造形実践の糧となっており、遊牧生活の実践を望んでいる。アジアの哲学に強い関心があり、想像力を掻き立てる日本文化、特に書道についてもっと学びたいと思っている。

アーティストからのメッセージ開く

鹿野でこの演劇祭に参加できることを大変嬉しく思います。少し変わった芸術的な提案を携えていきます。

演劇祭の期間中に行う滞在制作では、発展的な、そしてもしかしたら、参加型の展示ができればいいなと考えています。ワークショップとギャラリーは、滞在制作を行うのと同じ場所で開催され、融合したものになります。

初めて日本に来たとき、私は鳥取を訪れ、風と波が砂丘に刻む曲線をはっきりと目にしました。さまざまな自然要素とリズミカルな図柄が、落書きを禁止する看板を掲げた砂の上に毎日現れるのです。けれど、 私たちの足跡は、私たちの身体が描いた文字とは言えないのでしょうか?この滞在制作は、私たちの軌跡と物質の非永久性を問いかける機会になるでしょう。

意味をもたない文字を描くアセミック・ライティングという手法を使って、カリグラフィーをしたいと思っています。まずは、日本の書道のテクニックにインスピレーションを得た「ローラースケート・ショドウ」のシリーズを制作したいです。

また、私が公共の場で行ったパフォーマンス的実践を収めた映像では、人間による環境への影響についての考察も提示しようと考えています。

意味の喪失/探求のために、貝殻を収集し散りばめることもあるかもしれません。さながら、谷口ジローの漫画の中で、男が歩きながら掘り起こした貝殻のようです。

到着したら、地元の伝統的な和紙工房で制作に使う材料が手に入るかもしれません。墨汁をあわせて、発展的な作品をつくり上げるつもりです。

最後に、時間の経過を象徴する砂で作ったインスタレーションもやってみるかもしれません。

この滞在型の展示は驚きに満ちたものになるでしょう。

どんなことが起こるか楽しみにしていましょう!

助成・協力開く

主催:公益財団法人利賀文化会議、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁

共催:特定非営利活動法人鳥の劇場

日本の現代舞台芸術を世界へ 委託:令和6年度日本博2.0事業(委託型)