『卒塔婆小町』は、「近代能楽集」の代表作。豪華絢爛な美を愛した三島らしい作品で、永遠や絶対という観念的なものが扱われます。かつて鹿鳴館で美女と賞賛され、今は老婆となった小町と呼ばれた女性。恋愛に生の絶頂を夢見る死期の近い青年詩人。青年の素朴すぎる恋への憧れが、老婆の自尊心に火をつけます。永遠や絶対を願ってしまうのも人間、その不可能を知っているのも人間、それでも願うのも人間です。その業のようなものを美しく切なく描いたのが本作です。
大都市の夜の公園。浮浪者のような老婆と若い詩人が出会う。
詩人は夜の公園に集まる若いカップルたちを題材にロマンチックな詩を書いている。詩人が老婆に興味を持つ。
二人は愛や生と死についての問答をするが、そのうち老婆の導きで明治時代の鹿鳴館に遡り、美男・深草中将と美女・小町となる。
作:三島由紀夫 演出:中島諒人
出演:阿部一徳 齊藤頼陽 小菅紘史 大田信之介 中川玲奈 後藤詩織 松下朋花 高橋等
舞台美術:中島諒人
音響:原伸弘(オハラ企画)
照明:大迫浩二
照明オペレーション:伊中昌宏
主催:特定非営利活動法人鳥の劇場
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会 令和6年度 鳥取県 優れた演劇の創造・発信等による芸術振興及び地域活性化事業
後援:鳥取県 鳥取市 鳥取県教育委員会 鳥取市教育委員会 NPO法人いんしゅう鹿野まちづくり協議会 鳥取大学地域学部附属芸術文化センター 新日本海新聞社 株式会社ふるさと鹿野