昨年大好評!消えゆく村の話を、詩人が生演奏つきで演じ語る。今年は鳥取特別版です。

上演団体
トム・ポウ&ガロウェイ・アグリーメント[スコットランド]
日時
9月21日(土)・22日(日・祝)18:30
※各回終演後、アフタートークがあります
上演時間
70分
会場
鳥の劇場 [劇場]
料金
大人2,800円*/18歳未満500円/未就学児無料
*カフェで使用できる1ドリンクチケット付き
上演言語・字幕
英語上演/日本語字幕
手元字幕
英語あり
プログラムについて開く

昨年の鳥の演劇祭で上演し大好評だった『村と道』が帰ってきます。消えゆくヨーロッパの村々から集められた美しい言葉や物語が詩として語られ、ヨーロッパの古楽器を含む楽隊が実に繊細なメロディーを奏で、観客一人ひとりがそれぞれの過去の時間に思いをはせました。みながとても柔らかで切ない気持ちになりました。今回は、鳥取で集めた物語から生まれた詩を含む特別版として上演です。切なさにあふれた美しい世界をお楽しみください。

『村と道 2024』で語られる詩と音楽です。
昨年の鳥取滞在中、トムさんは鳥取の過疎が進む村を訪れ、そこに住む方々からお話を聞く機会を得ました。その話を元に新たに創作されたものになります。
また、その時に聞き取った話は、他のものも含めて詩として書き起こされ、まとめたものが詩集として出版されます。
詩集のタイトルは「遊ぶ亡霊たちー日本の田舎からの詩」。2024年9月13日にジョバンニ書房より刊行予定です。

作・演出/出演/スタッフ開く

作:トム・ポウ

音楽:ガロウェイ・アグリーメント

演出:マシュー・ザヨンツ

出演:トム・ポウ ガロウェイ・アグリーメント <ウェンディ・スチュワート(ハープ、歌) ルース・モリス(ニッケルハルパ) ガヴィン・マーウィック(フィドル) ステュアート・マクファーソン(コントラバス)>

作曲:ガロウェイ・アグリーメント

照明デザイン・写真:アンドリュー・ウィルソン

照明操作:アルベルト・サントス・ベリドー

音響デザイン:ステュアート・マクファーソン

デジタルアセット:エマ・ダヴ

アーティストからの言葉開く

語り手・詩人 トム・ポウ

「予期せぬ旅への招待は神々からの贈り物」ということわざをどこで聞いたか思い出せませんが、昨年、ガロウェイ・アグリーメントと私はそのような招待を受けました。鳥の劇場への訪問は、芸術的にも個人的にも私たちの人生を豊かにしてくれました。

再び私たちを招待していただけたこと、また、助成団体が私たちを支援してくれたことは、非常に光栄なことです。

鳥の劇場が、昨年とまったく同じ作品ではなく、私が参加したガイド付きのツアーや、音楽面で、私たちが日本で経験したことを反映させた作品にしようと依頼してくださったことに感謝しています。

今回の作品では、新しいシーンを書き下ろし、適宜、言葉や行動で日本文化に触れています。 また、昨年の観客の皆さまからの反応も取り入れています。

また、詩集『Ghosts at Play, Poems of Rural Japan』を書きました。この詩集は宮内奈緒さんによって翻訳され、9月に発表される予定です。

演出家 マシュー・ザヨンツ

この作品は、世界的な現象である地方の過疎化に焦点を当てています。そして、私たちがこの地球とどのように関わっていくかについての根本的な問いを投げかけています。

私たち人間は、自然界から孤立した自分達のための世界を作り上げてきました。それは都市化された企業中心の世界であり、自らが作り出した物質やプロセスに囲まれ、それらに依存しています。物質的な世界では、ますますコンピュータの画面を通して媒介されるようになり、そう望めば、多くの時間を他の人々と直接関わることなく過ごすことが可能です。

『村と道』は、このような切り離された生き方に従い、産業革命以前の全人類史が内包していた土地とのつながりを失ってしまうことにより、私たちが何を失っているのかを問いかけています。

トム・ポウ氏とガロウェイ・アグリーメントの4名の音楽家たちと一緒に『村と道』を作り上げることは、非常にユニークな経験でした。この素晴らしい詩的音楽劇を日本の皆様にご紹介できることは、大変光栄です。また、地方の過疎化が私たちの生存そのものに対する実存的な脅威となりうるという、この作品の主旨を共有できることも大きな喜びです。

団体プロフィール開く

ガロウェイ・アグリーメント

ウェンディ・スチュワート(ハープ、歌)、ルース・モリス(ニッケルハルパ)、ガヴィン・マーウィック(フィドル)、ステュアート・マクファーソン(コントラバス)の4名の著名な伝統音楽演奏家によるコラボレーショングループ。

世界的な演奏家である彼らは、スコットランドのダンフリーズ・アンド・ガロウェイ州を拠点に活動する。彼らはもともとウェンディのアルバムのレコーディングアーティストとして集まったが、一緒に演奏することが楽しかったので、通常の四重奏楽団とは楽器の種類も素材も違う異色のカルテットが結成された。

彼らの楽曲は、オリジナル曲とスコットランドやヨーロッパの伝統曲や歌が混ざり合っている。

語り手・作家プロフィール開く

トム・ポウ

衰退していくヨーロッパの村々を描いた詩と散文でクリエイティブ・スコットランド賞を受賞。スペイン北部、フランス中部、イタリア南部、ドイツ東部、ブルガリア、ポーランド西部、ロシア、スコットランド北部などを旅して、写真、映像、文芸などの記録を残す。著作に『In Another World - Among Europe's Dying Villages』(2012)がある。

演出家プロフィール開く

マシュー・ザヨンツ

スコットランド・インヴァネス育ち。ブリストル大学で演劇を学び、 俳優としてのキャリアは40年に及ぶ。これまでにグラスゴー市民劇場、ロイヤル・エクスチェンジ・シアター(マンチェスター)、リバプール・エブリマン&プレイハウス、リリック・ハマースミスなどで数多くの劇場で活動。 また、スウェーデンでもいくつかの劇団と協働。 2009年、『The Tailor of Inverness』での演技が評価され、スコットランド演劇批評家賞最優秀男優賞を受賞。この作品は他にも数々の賞を受賞し、世界中で上演された。また、2021-22年には、BBCでブライアン・ロスが監督を務めるドキュメンタリー映画『Circling A Fox - the Story of The Tailor of Inverness』が放送された。その他の戯曲に『The Sky Is Safe』(ドッグスター 2017年)、ジェームズ・ロバートソンの小説を原作とした『The Testament of Gideon Mack』がある(2025年にドッグスターにより上演予定)。 2004年よりドッグスター・シアター・カンパニーの芸術監督を務める。

助成・協力開く

クリエイティブ・スコットランド

グレイトブリテン・ササカワ財団

ブリティッシュ・カウンシル